午後2時09分再開
○議長(勅使河原喜夫君) 再開いたします。
◎ 続・一般質問
○議長(勅使河原喜夫君) 休憩前に引き続き、一般質問を行います。次に、6番議員 茂原正秀君、ご登壇の上、ご質問願います。6番。
(6番 茂原正秀君登壇)
○6番(茂原正秀君) 議長のお許しをいただきましたので、先に通告いたしました民間活力を利用した光ファイバーによる高速インターネット環境の整備について、を質問いたします。
 本年3月定例会におきまして、私は「高速インターネットが利用できる情報通信網の公的整備をふくめた早急な実現について」を一般質問で取り上げました。その時点での富岡市におけるインターネット接続環境は大変劣悪な状況で、県内11市の中でも下位のレベルにありました。このことはもちろん当局も認識されておりました。また、こうした状況を打開するために富岡市としても以前から複数の企業に対して、光ファイバーによる高速インターネットサービスの開始を強く要請してきたものの、企業側からは難しいとの回答が繰り返されるばかりで、進展させることができなかった経緯があることを質問の回答の中で説明していただきました。さらに、公的整備をするにもばく大な費用がかかることから現状では困難というご趣旨のお答えもいただきましたが、まさにこの問題については、明るい展望を見出すことが極めて難しいといえるような状況でした。
 ところがその後、事態は大きく変わりました。劣悪なインターネット接続環境をなんとか改善しよう、という地域を挙げた運動が一ノ宮地区でこの5月に始まり、そうした住民の熱意と行動が、民間企業の競争原理に火をつけ、それまで進出の予定はない、としていたNTTが、来年1月から富岡、七日市、一ノ宮の住所地でサービスを開始することを8月に発表。さらに、10月には東京電力テプコひかりも来年4月から一ノ宮、神農原、宮崎、宇田、田島、黒川でのサービス開始を決定するなど、わずか半年の間に富岡市は、高速インターネットの分野では、先進的な地方都市になれる可能性さえ出てくるほど、急激に明るい展望が開けてきました。
 しかし、ここにきて新たな課題も生まれました。それは、市内における情報通信網の大きな格差です。一例を挙げれば、これまで現在のインターネット接続の主流であるADSLでさえ満足に利用することができなかった一ノ宮地区は、来年から東京電力テプコひかりとNTTの両社の光ファイバーによるサービスが利用できるという、全国的に見てもトップレベルといえるような環境になります。
 しかしながら、サービス開始が決定した地区以外では、今後の展望は残念ながら開けておりません。これからますます日常生活においても、また、企業活動においても、あらゆる分野でインターネットの利用が進むことは確実な時代の方向性を考えますと、この市内において新たに生まれる地域間格差は早急に改善すべき大きな課題の一つといえるかと思います。
 以上の点を踏まえた上で質問いたします。
 富岡市内の光ファイバーによる高速インターネット接続環境は、一ノ宮地区において促進協議会が設立され、地域を挙げた運動が始まったことで、これが大きなきっかけとなり、一気に改善される方向へと進みました。ということは、この一ノ宮地区での協議会の活動を一つのモデルケースとして、他の地区でも同様な取組を行うことができれば、民間活力をうまく使って、光ファイバーが利用できる地区を短期間のうちに更に広げることができるのではないかと思われますが、この点について当局はどのようにお考えでしょうか。
 また、各地区の協議会の設立を行政から積極的に働きかけて支援し、地域のニーズと企業の事業展開とをうまく結び付け、市内の光ファイバー網の整備を進めようとする戦略的な構想を当局はお持ちなのでしょうか。
 以上、壇上からの質問といたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(勅使河原喜夫君) 市長。
(市長 今井清二郎君登壇)
○市長(今井清二郎君) 6番 茂原議員さんの、民間活力を利用した光ファイバーによる高速インターネット環境の整備について、のご質問に順を追ってお答えを申し上げます。
 はじめに、茂原議員さんには、日頃より情報化の推進に対する熱心なご活動をいただいておりますことに対し、敬意を表したいと思います。
 議員さんのご質問にもありますように、一ノ宮地区を中心とした東京電力によるテプコひかりの光通信の誘致を目的に結成された促進協議会の住民運動と、この運動を契機とした、NTTのBフレッツの新たな参入により、富岡市の一部区域ではありますが、光通信が新年早々からNTTと東京電力により、相次いで開始となります。このことにより、富岡市は光通信の世帯カバー率が50%を超え、一気に光ブロードバンドの先進地となることが確実となりました。一年前には想像すらできませんでしたが、改めて住民パワーの大きさと住民活動の必要性を再認識した次第でございます。
 それでは、はじめの、一ノ宮地区の協議会の活動をモデルケースとして、他の地区でも民間活力を使って、光ファイバーが利用できる区域を更に広げることができるのではないかと思われるが、とのご質問にお答えをいたします。
 今年の3月定例会での茂原議員さんのご質問に対しまして、市内の光ファイバー網の整備には、極力民間活力を活用して行っていきたい旨の答弁を申し上げましたが、まさに一ノ宮地区住民によって組織された促進協議会は、民間活力をうまく活用した事例であり、この促進協議会の活動に感謝をいたしております。ご質問にもありますように、光ファイバー網の区域拡大を推し進めるにあたり、地域住民が主体となった取り組みは企業を動かすという意味では、最も有力な手法でありますので、今後も積極的に活用してまいりたいと考えております。
 次に、各地区の協議会の設立を行政から積極的に働きかけて支援し、地域のニーズと企業の事業展開とを結び付け、市内の光ファイバー網整備を進めようとする戦略的な構想を持っているのか、とのご質問にお答えを申し上げます。ご質問のように、市といたしましては、光通信が可能となる区域に隣接する区域から、順次地区住民を主体とする協議会の発足を働きかけるとともに、積極的に支援してまいりたいと考えております。
 なお、この協議会活動の手法は、先ほども申しましたように、企業側に地区住民の要望を的確に伝える手段であり、結果のいかんにかかわらず、地元の熱意は伝わり、将来の光ファイバー整備計画に生かされてくるものと確信をいたしております。いずれにいたしましても、富岡市といたしましては、光ファイバー網を活用したサービスがますます日常化していく中で、光ファイバー網を活用した地域の情報化を推し進めていくことは、富岡市の発展にとって非常に大切であると考えておりますので、引き続き民間事業者による光ファイバー網の整備の要請を行っていくとともに、住民を巻き込んだ活動の支援を積極的に行ってまいりますので、ご理解をいただきますようお願い申し上げます。
 以上、壇上からの答弁とさせていただきます。
○議長(勅使河原喜夫君) 6番。
○6番(茂原正秀君) まずはご答弁、ありがとうございました。お話をお聞きしましたところ、当局の基本的な考え方は私の考えと大きな隔たりがないことが分かりまして、安心いたしました。しかしながら、当局の今後の方針につきましての姿勢は、少々楽観ムードが漂っていると申しましょうか、少しのんびりしすぎているように、私には思えてなりません。
 先ほどのお話の中で、来年から富岡市は、光通信の世帯カバー率は50%を超え、一気に光ブロードバンドの先進地となることが確実になりました、という部分がございました。確かにこのことは画期的なことであり、この話を聞けば、ほとんどの方は今後もどんどん光ファイバー利用可能なエリアが広がっていくのだろうと考えることでしょう。しかし、私は逆の見方をしております。はっきり申し上げますと、このまま業者の動向を傍観していれば良いような状況ではなく、今、何らかの行動を起こさないと、現時点でサービスの開始が確定した地域から周辺へのエリア拡大はずっと先になってしまうのではないかというように危ぐしております。
 そもそも光ファイバーによる高速インターネットのサービスが、これまで富岡市内で始まらなかったのは、企業側からサービスを提供しても採算が合わない、商売にならない地域、と見られていたのが一番の理由であるかと思います。一ノ宮地区の住民運動である高速インターネット促進協議会も、そうした背景がある以上、いくら行政が企業に要請しても話は進むはずがないだろうと。それならば、地域で行動してみようではないか、というのがスタートのきっかけでございました。幸いこの活動が非常にスムーズに展開したことにより、東京電力テプコひかりとNTTの間で企業間競争が生まれ、ここまではとんとん拍子で進んできたわけでございます。しかし、冷静に考えれば、この展開は順調に進みすぎた傾向があり、特に東京電力テプコひかりとNTTの両者が進出することが決まった一ノ宮周辺エリアは、明らかに供給過剰とも思われます。
 ここまでの経緯では、富岡市は採算が合わない地区と当初は考えていたが、地域を挙げた推進運動が盛り上がるぐらいなのだから、意外に有望なマーケットなのかもしれない。というような思惑で進出を決めた両社も、来年いざサービスを開始してみたら、期待したほど利用者が集まらないというような結果にでもなれば、今後、富岡市内でのエリア拡大は行わない危険性も十分に考えられます。これは、あくまでも私個人の判断ですが、多分、そのような方向へ進んでしまうと思います。
 このような点を考慮しますと、来年の4月に予定されている両社のサービスがすべて出そろい、開始されるまでのおよそ4か月間が大変重要な期間であると思われます。表現は少々どぎつくなりますけれども、この富岡市のマーケットとしての評価が固まらないうちに、どさくさに紛れてできるだけ多くの地区において、一ノ宮で行ったのと同様な促進協議会を立ち上げ、一気に話を進めるような強引な手法をこれからの富岡市の発展のためには、あえてとるべきではないかと、そのような考えを私は持っております。ただ、地域で協議会を立ち上げるというのは、言うだけだったら簡単なのですが、現実には大変難しいものがございます。しかも、時間との戦いという側面もございますので、ここは行政が音頭を取って、地域の協議会を作り、一ノ宮の高速インターネット促進協議会の経験、ノウハウを投入し、この4か月の期間にあと1万人ぐらいの市民が更に利用できるぐらいのエリアまで光ファイバーの布設が拡大されるよう活動すべきではないかと、個人的には猛烈に感じております。
 そこで、市長にお伺いいたします。短期間のうちに、最も多くの市民が光ファイバーによる高速インターネットを利用できるようにするには、ただいまご説明した方法がベストではないかと私は考えておりますが、この方法について市長はどのようにお考えでしょうか。また、市長がさらに効果的な何らかのプランをお持ちならば、是非それをお聞かせください。
 以上を第2質問といたしますが、よろしくお願いいたします。
○議長(勅使河原喜夫君) 市長。
○市長(今井清二郎君) 茂原議員さんから再質問をいただきました。
 ブロードバンドの地域拡大について、先ほどからお話がありますように、茂原議員さんが果たした役割は大きく、心から感謝をしているところでございます。
 さらに、第2質問では、このまま業者の動向を傍観してはならない。もっと、主体性をもって行政が主導して住民運動を起こしていくべきだ、という考え方については、誠にご指摘のとおりだというように思っております。先ほど茂原議員さんの個人の考えとしておっしゃっておられましたが、これは私の考えでございますが、このIT化については、国の大きな基本政策の1つでございます。そして、時代もこのIT化ということについては、大きな流れで動いております。したがいまして、ブロードバンド化、光通信の全国ネット、日本国内すべての地域にネットを広げていくということは、時間の問題という、あるいは物理的な問題はあっても、必ず全国にそうなっていくというのは、大きな流れの一つだろうと思っております。
 したがって、先ほどご指摘いただいた富岡市は、サービスを提供しても採算が合わない、商売にならない地域だ、というように各業者が見ていても、これは全国的な流れの中で、ネット化していくということは当然のことになってくるだろうと。これは、なぜ妙義町が先にネット化したかというのを考えてみれば、富岡市と比べて妙義町が必ずしも商売にならない、あるいはサービスを、供給をしても利用者があまりない、富岡市よりも妙義町の方がはるかにあるのだ、という発想のもとに供給したのではないように私は思っております。したがって、この件については、業者が数社あるわけでございますが、この業者がいかにすばやく自分たちのテリトリーあるいはシェアを確立していくかという競争を今、全国的に猛烈に行っているところなのではないか、というように思っております。
 しかし、それにしても、時間的な制約、あるいは業者の能力としての制約、物理的なものもありますので、全国一斉にすべて一年でやるわけにはいかないということになりますと、優先順位をつけて張り詰めていくことになりますので、座して待っていたのでは、当地域は一番遅れてしまう、というその危機については、私は茂原議員さんと全く同じでございます。
 ですから、市としても住民の方々に推進協議会をつくって動いていただくということももちろん一番有効な手段ではありますが、行政としてもできるだけ業者と接触をして、ぜひここまできたのだから、今度は、高瀬をお願いします、額部をお願いします、吉田をお願いしますということを、地域に併せて広げていく努力を是非したいと思っております。
 NTTさんが今回急きょやったのは、あくまでも対抗意識のようなものに触発されているのだろうと思うのですが、我々がお願いしても、それだけではうまくいかないという危機感もありますので、そこは我々の地域に引いてくれという住民の声が高ければ高いほど、業者の方もやりやすい地域になりますので、そういう形をつくりながらやっていきたいと思っております。その危機感ということに関しては、私どもも茂原議員さんのおっしゃっていることは共通の思いでありますので、危機感をもって対処していきたいと思っております。
 具体的なお答えにつきましては、企画部長からお答えを申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○議長(勅使河原喜夫君) 企画部長。
○企画部長(大塚 誠君) それでは命によりまして、茂原議員さんの再質問に順を追ってお答えをさせていただきます。
 はじめに、短期間のうちに多くの市民が、光ファイバーによる高速インターネットを利用できるようにするには、一気に進めていく方法がベストではないか、とのご質問にお答えをいたします。茂原議員さんのご指摘のように、一ノ宮地区と黒川地区のエリアにおきまして、NTTと東京電力の2社で光通信の提供が始まることによりまして、過当競争になって今後の区域拡大に影響が出るのではないのではないか、と心配をしていらっしゃいましたけれども、私どもも同様な危ぐをしているところでございます。しかしながら、このことは民間企業の営利活動による結果でございまして、やむを得ない部分であり、むしろこのエリアの住民の方々にとりましては、選択の幅が広がるということで、ニーズにあったサービスの提供を受けられるものであると考えております。今後の区域拡張に当たりましては、先ほど市長からも申し上げましたように、住民が主体となった協議会組織による誘致活動が企業を動かす手段として最良の方法であると考えておりますので、積極的にこの手法を活用してまいるとともに、整備予定区域に隣接する地域におきましては、住民の意見や意向を的確に把握しながら、協議会設立の働きかけを早急に行ってまいりたいと考えております。
 次に、さらに効果的な何らかのプランを持っているのか、とのご質問にお答えをいたします。市といたしましては、光通信の区域を更に拡大し、地域の情報化を積極的に推進してまいる所存でございます。そのためには、一ノ宮地区での協議会の活動を参考にして、地区の実情にあった方法によって、住民を主体とする誘致活動を支援し、さらに通信事業者に対する働きかけを今まで以上に積極的に行ってまいりたいと考えております。こうした住民と行政が一体となった地道な運動こそが、通信事業者を突き動かす原動力になるものであると確信をしておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 以上、再質問の答弁とさせていただきます。
○議長(勅使河原喜夫君) 6番。
○6番(茂原正秀君) ご答弁ありがとうございました。
 本当ですと、はっきりした具体的な地域の名前を挙げて議論をしたいという気もあるのですけれども、それをしますと当局が現在計画している今後の展開に支障が出てしまう可能性もございますので、これ以上は強く自分の考えを申し上げるのは控えさせていただきます。
 ただ、今回、再度この件を一般質問で取り上げましたのは、来年のサービス開始が決定していない地域の多くの皆さんから、うちの地域でも光ファイバーが使えるようになるのでしょうか。また、仕事で必要なので、何とかしてください。そういう声をいただいたのがその理由でございます。
 こうしたお声の大半は、20代から40代ぐらいの若い世代が中心で、強いニーズを持ってはいても、なかなかそのニーズを地域全体の要望という次元まで持ち上げることが難しい方々でございます。しかし、その地域の将来を担う方々のニーズなのですから、その地域の発展のため、さらには富岡市全体の発展のために、何とかしなければならない、そのような気持ちから少々強引な方法をご提案申し上げました。
 このインターネットをはじめとするデジタル関連、IT関連のものは、テレビや自動車などのようにだれもが同じ様に使うものとは違い、その利用度には大きな個人差がございます。日々の暮らしの中でインターネットを当たり前に使いこなしている方は、その利便性を十分に理解しておりますが、理解されておらない方にとっては、光ファイバーなどどうでもいいではないか、と思われる程度のものかもしれません。しかし、市民生活のあらゆる分野でインターネットの利用がどんどん増えることを考えれば、光ファイバーの必要性が今後ますます高まることは間違いございません。また、個人の生活の面だけではなく、ビジネスの面でも必要不可欠です。
 先日も工業振興センター建設検討委員会の会議の席上でも、参加されていたある市内の大手企業の方から、工業振興センターも結構だが、大容量のデータの送受信に大変困っているので光ファイバーを使えるようにしてほしい、との要望がございました。また、社員が何百人もいらっしゃるような大企業だけでなく、小さな商店のようなスモールビジネスにおいても同様だと思います。立地が悪く、人通りが全くない通りに面した商店でも、上手にインターネットを使えば、利益が上がる商売も可能です。それどころか、コストの塊ともいえるような店舗運営はやめて、無店舗で全国の消費者を相手にするような新しいビジネスの展開も不可能ではありません。
 そのような大きな可能性をもっているインターネットを最も効率的に使いこなせるツールが光ファイバーなのですから、是非、そうした点も考慮に入れていただき、少しでも早く、少しでも広いエリアにおいて、富岡市で利用できますよう、当局には今後も地域及び企業に対して積極的に働きかけをしていただくことを要望いたします。
 以上で質問を終了いたします。ありがとうございました。
○議長(勅使河原喜夫君) 以上で、一般質問は終結いたしました。