○議長(勅使河原喜夫君) 次に、6番 茂原正秀君、ご登壇、ご質問願います。6番。
(6番 茂原正秀君登壇)
○6番(茂原正秀君) 議長のお許しをいただきましたので、先に通告いたしました、高齢化社会に対応した市庁舎、富岡公民館へのエレベーター設置と公共施設のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化についてお尋ねいたします。
 日本の高齢化率は、年々急速に進んでおります。具体的な数値を挙げますと、来年の2005年には高齢化率は19.6%となり、4人で1人の高齢者を支える社会がやってまいります。さらに、ここでこの傾向に歯止めが掛かるわけでは決してなく、その10年後の2015年には高齢化率は25.2%、また2050年には32.3%というように、今後も一層上昇し、人類の歴史上これまで例がなかったような超高齢化社会の時代も、遠い未来の話ではないところまで来ました。このように、高齢者の数が激増するということは、それにつれて体がご不自由な方や、障害を持たれる方も増えることにつながりますが、こうした状況に対応するため、近年多くの施設や場所におきまして、誰にでも快適で使いやすいという基本理念の下に、バリアフリー化やユニバーサルデザイン化が進められるようになってきました。
 一般的に、現在存在する障害を取り除くことがバリアフリー化と表現され、また最初から障害を作らないことがユニバーサルデザイン化と言われておりますが、具体的な大きな例としましては、平成12年度に施行されました交通バリアフリー法に基づいて、生活の主要な移動経路となる駅、商店街、病院、福祉施設、行政機関、文教施設などを結ぶ道路をバリアフリー化し、快適に移動ができる道路環境を整備することが、現在全国で進められております。また、民間の施設でも、こうした国の流れに歩調を合わせるように、トイレや通路、さらには階段やエレベーターなどでバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を進めるところが増えてきました。
 このように、公共施設も民間施設も多くのところで、今後短期間の間にかつて例を見ないスピードで進行する高齢化社会に対応するため準備しておりますが、富岡市の場合はどうでしょうか。身近なケースとしましては、市民の皆さんから要望が多い、この市庁舎や富岡公民館のエレベーターの設置一つをとっても、これまで何度か一般質問で取り上げられましたが、厳しい財政事情の中では難しい状況という理由で、残念ながら実現に至っておりません。
 今回、同様な質問を繰り返すことになる部分もございますが、市民の皆さんからの要望も多く、さらに必要性は高まる一方なのに、一向に具体的な進展が見られないという憂慮すべき事情もございますので、そうした前提をご理解した上で本題の方をお聞きいただきたいと思います。
 まず、市庁舎のエレベーター設置についてでございますが、この件につきましては、平成13年9月定例会におきまして一般質問がされ、その回答の中で、エレベーターの必要性は認識している。また、中庭を利用したエレベーター設置を考えたが、建築基準法により大規模な改修工事が必要となり、多額な工事費になってしまう。喫緊の課題であり、庁舎にエレベーターがないのは県内の市ではあまり例がない。条件さえ整えば着工したい。という要旨の部分がございます。そこで、最初の質問ですが、多額な工事費という表現になっている金額について、具体的にどの程度なのかお教えください。また、条件さえ整えばという条件について、もう少し詳しくお聞かせ下さい。
 さらに、2つ目の質問ですが、やはりこのご回答の中に、エレベーターを設置するまでの間は、障害者や足の弱い方のために、職員が1階まで出向いたり、2階、3階の会議などに参加する場合については、階段を上る手伝いをするなど、ソフト面での配慮を行う庁内の体制を作って対応する。という要旨がございましたが、このような対応というものは、現在どのくらいの頻度で行っているものなのかを教えていただきたいと思います。
 続きまして、富岡公民館のエレベーター設置についてですが、こちらは平成12年の6月定例会におきまして、篠原議員さんが一般質問をされました。また、今年の3月定例会におきましても、再度篠原議員さんがこの件について触れられておりましたけれども、そのご回答の要旨は、富岡公民館のエレベーター設置については必要性は十分認識している。また、設置費用等はおおむね3,500万円程度の予算措置が必要と思われ、限られた財源の中では厳しい状況である、というものでございました。3つ目の質問は、この点についてお尋ねいたします。
 今後、急速に富岡市でも高齢化が進むことは間違いない状況であり、先進的な自治体では、車いす対応というさらに進んだエレベーターを公共施設に導入するところも出始めている時代の中で、3階建ての富岡公民館にエレベーター1つ程度のものがどうして設置できないのか、という疑問の声を、私はあちこちから伺っております。そんなお声の一つとして、富岡市文化協会に所属している大正琴サークルの女性からのお話ですが、70代、80代の会員の方は、ただ階段を上るのにも苦労しているのに、さらに重い大正琴を持って上らなければならないのですから、とても大変ですというものがございました。
 実際、足や腰が弱くなられた高齢者の女性が重いケースを片手に持ち、反対の手は手すりを握りながら階段を上られる光景を目の当たりにしますと、厳しい財政状況という理由があるにせよ、何年も話が進まないだけでなく、今後もこの状態が続くことには大きな疑問を抱かざるを得ません。
 そこで、3つ目の質問ですが、ユニバーサルデザインやバリアフリーという観点からだけでなく、生涯学習都市宣言をした富岡市という点からも、3,500万円程度の費用ならば、生涯学習の拠点でもある富岡公民館にエレベーターを設置したとしても、市民の皆さんの利益や利便性を考えれば高いものではございませんし、また富岡市としても早急に対応すべき優先順位が高い課題ではないかと感じておりますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
 続きまして、公共施設のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化という観点から4つ目の質問をしたいと思います。
 体に障害をお持ちの方や、足が弱い方が外出した時に一番困るのはトイレというお話をよく耳にします。家庭での洋式トイレの普及が進むにつれ、バリアフリー化やユニバーサルデザイン化という社会の流れもあり、最近ではたくさんの方が利用する高速道路やデパートなどのトイレでも、洋式トイレが選べるような配慮や、和式トイレでも手すりを付けるような使いやすい工夫もされるようになってきました。この件についてを4番目の質問といたしますが、市の施設のトイレでは、バリアフリー化のためにこれまでどのような対応をしてきたのでしょうか。また、今後何らかのプランがあるようでしたらお聞かせ下さい。
 以上、壇上からの質問といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
◎ 休  憩
     午後1時58分休憩
○議長(勅使河原喜夫君) 暫時休憩いたします。
◎ 再  開
     午後2時12分再開
○議長(勅使河原喜夫君) 再開いたします。
◎ 続・一般質問
○議長(勅使河原喜夫君)休憩前に引き続き、一般質問を行います。市長。
(市長 今井清二郎君登壇)
○市長(今井清二郎君) 6番 茂原議員さんの、高齢化社会に対応した市庁舎、富岡公民館へのエレベーター設置と公共施設のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化についてのご質問に順を追ってお答え申し上げます。
 人が健康で楽しく人生を過ごしていくこと。それは、誰もが共通して願う思いです。そして、そのまま生涯を全うできればというのも共通した思いです。また、そのために、人の自立と尊厳を維持しつつ、社会で支援することは、大変重要なことでございます。このような中で、本市では、高齢者ができる限り家庭や住み慣れた地域の中で、その人の自己努力を基本に自立した生活が営まれるよう、地域、企業、行政が一体となって支援していく福祉の地域づくりに向け、「思いやりあふれる健やかなまち とみおか」を基本理念として掲げ、高齢者や障害者の方々が快適に暮らせるまちづくりに積極的に取り組んでおるところでございます。
 そこで、1つ目の質問でございます、市庁舎のエレベーター設置についてお答え申し上げます。
 平成13年9月定例会で答弁申し上げたとおり、必要性は十分感じており、現在もその考えは同じであることを最初に申し上げさせていただきます。
 エレベーターの設置につきましては、まずエレベーター設置の前段として、建築基準法により庁舎の大規模な改修工事が必要になるわけでございます。試算をいたしました数字でございますが、防災設備関係の改修で、排煙設備として排煙窓の設置、避難経路確保としての外階段の設置、防火シャッター防火戸の設置を行う工事で約4,000万円、エレベーター設置の工事費が約4,000万円かかると見込んでおります。これを合計いたしますと8,000万円ということになるわけでございます。また、条件が整えばという条件につきましては、財政状況が好転した場合には着工したいということでございます。議員さんもご承知のように本庁舎建物は、昭和38年の建築でございまして、築40年以上が経過しており、また妙義町との合併が平成18年3月27日を目途に進んでいることを勘案いたしますと、現庁舎へのエレベーターの設置は、今後の大きな課題と考えておりますのでご理解を賜りたいと思います。
 次に2つ目のご質問の、ソフト面での配慮を行う庁内の体制を作って対応している、その利用頻度についてでございますが、1階受付に「2階、3階に用事のある方で階段が不便な方はお申し出ください。」という表示を掲げてあるほか、障害のある方や高齢者の方々等が来庁した場合には、受付の方から声をかけ、担当が受付まで出向き対応をいたしております。データは特にとっておりませんが、農業者年金受給者の現況届時については高齢者の方が多く、6月の1箇月間で毎年50から60件農業委員会事務局の職員が1階まで下りて対応をいたしております。今後も職員が1階まで出向いたり、2階、3階の会議などに参加する場合には、階段の上り下りのお手伝いをすることなどによりまして、ソフト面でできる限りの配慮をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、3つ目の、生涯学習都市宣言をした富岡市という点からも、富岡公民館にエレベーターを設置できないか、とのご質問にお答えを申し上げます。
 このご質問につきましては、茂原議員さんも言われましたように、過去2回にわたり地元議員の篠原議員さんから質問を受けておりまして、必要性は十分認識しているが財政的な面から設置は困難であるとの答弁をしてまいりました。今回のご質問につきましても、必要に迫られた多くの市民の皆様からのご要望であると受け止めております。ご承知のとおり、生涯学習センターや公民館は市民の皆様の一人一人が、自らの生涯を通して生きがいを持ち、楽しい人生の実現のためのきっかけづくりとして、講座や研修を実施しております。また、個人や団体におきましても、様々な学習を行うと共に、お互いの学習意欲を高めながら楽しく学んでいただいております。
 このような中で、富岡公民館につきましては、市街地に隣接した地域であり、平成15年度の利用者は、団体で2,259団体、人数にいたしますと3万6,981人で、他の公民館と比較しても圧倒的に多く、より一層の充実を求め学習の場として活用をいただいております。しかしながら、議員さんのご指摘にもありますように、年々急速に進んでおります高齢化社会を迎えた現在において、多くの方が重い荷物を持ちながら階段を上り下りしなければならない現状、また、身障者の方においてもエレベーターが無いために、学習の機会が失われてしまう状況を思いますと、本当に心が痛む思いでございます。このような観点に立ち、重要な課題であることを認識しておりますが、限られた予算の中で平成17年度の設置につきましては実現するのに困難な状況でございます。今後予算編成をする中で、エレベーター設置の必要性を十分に考慮し、多くの方の要望として受け止め、市民の皆様が充実した人生のための生涯学習ができますように、施設の整備等を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
 なお、バリアフリーの実現として、玄関ドアの自動化やスロープの整備などを実施しておりますが、今年度は1階から3階までのトイレ改修をし、洋式トイレを4つ設置いたしました。より多くの方が、美しいトイレとして、安全で安心して利用できるように改善をしたところでございます。
 茂原議員さんの、バリアフリーやユニバーサルデザインに向けた熱い思い、また高齢者や身障者の方を思いやる心温まるお考えを真しに受け止め、人に優しいまちづくりを進める中において、エレベーター設置に向けて今後も努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、4番目の、トイレのバリアフリー化への対応についてのご質問にお答えをさせていただきます。
 トイレにつきましては、バリアフリー・ユニバーサルデザインという認識がされる以前は、ただ単に身障者用トイレを設置するということでありました。その後、ユニバーサルデザイン検討委員会での討議などを経て、バリアフリー・ユニバーサルデザインの認識が深まり、トイレを新設する場合や保健センター、旧丸川屋などの大規模な建物の改修については、バリアフリー・ユニバーサルデザインの考え方に基づき、検討・実施してきております。
 これまでどのような対応をしてきたのかでございますが、いくつか例を申し上げてみたいと思います。
 本庁舎、南庁舎の1階トイレに身障者用トイレを設置し、また、ベビーシートも設置いたしました。さらに先ほども申し上げましたが、富岡公民館の1階から3階までのトイレを暖房便座付洋式トイレに改修をいたしました。
 これからの改修予定といたしましては、本庁者3階トイレの1箇所を暖房便座付洋式トイレに改修。また、和式トイレに手すりを設置する予定でございます。また、今後のプランでございますが、昨日の篠原議員さんのご質問にもお答えしましたように、財政面を考慮しながら改善を進めてまいりたいと思っております。特に、公民館についての洋式化は、昨日もお答えしましたが、少なくとも1箇所は必ず予算化をしていくというようなことで順次進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上で、壇上からの答弁とさせていただきます。
○議長(勅使河原喜夫君) 6番。
○6番(茂原正秀君) ご答弁ありがとうございました。まず、人の自立と尊厳を維持しつつ、社会で支援することは大変重要なことというご認識及び「思いやりあふれる健やかなまち とみおか」という基本理念を聞かせていただきましたが、大変心強い思いがいたしました。
 それでは少し具体的な点に触れてみたいと思います。
 最初に、市庁舎のエレベーターについてですが、まず設置費用は工事費に4,000万円、さらに建築基準法により求められる耐震工事に4,000万円、計8,000万円の費用が見込まれるとのご回答でした。この8,000万円という金額が高いものか、安いものかは今後この現庁舎をどのくらいの間使っていくかにより、大きく変わるものと思われます。例えば、妙義町との合併を機に、新庁舎建設という計画でも始まるのでしたら、今ここで8,000万円のコストをかけてエレベーターを設置するのは理にかなうことではないと考えられます。しかしながら、この現市庁舎を今後、あと10年、20年と使う可能性がもしもあるのでしたら、その場合ならばどんどん高齢化も進み、エレベーターの必要性も高くなるわけですから、8,000万円をかけたとしても意味のある投資なのではないかと私は思います。
 現在、エレベーターが設置されるまでは、ソフト面での配慮を行う庁内の体制を作って対応しているとのことですが、職員の方が1階まで出向いて応対するのは、役立つサービスであると思いますが、車いすやつえをお使いの方々を職員の皆様の人力で2階、3階にお連れするというのは、少々非現実的な対応ではないでしょうか。さらに、お体の不自由な方の立場になって考えてみても、そこまでしてもらうくらいならば市役所に行くのはやめようと、心理面での負担を持たれる方も多いのではないかと思います。市役所側からすれば、2階、3階に上る手伝いというソフト面での配慮を行っているので十分とお考えになっているのかもしれませんが、このような方法が自分の力で2階、3階に上れない市民の方々に、物理的なバリアだけでなく、精神面でも大きな負担、大きなバリアも加えることになっているのではないでしょうか。現実問題としてそうした市民の方が、実際に2階や3階に上ることはほとんどできていない状況が長年続いてきているのではないかと私は懸念しております。
 バリアフリーやユニバーサルデザインの基本理念は、物理的な障害を無くすことだけでなく、社会参加を妨げる心理的な障害も無くすという考え方も含まれていると、私は強く思っております。そうした観点から考えますと、いくら財政が厳しい状況であるからとはいえ、社会の高齢化はずっと以前から予想されていたことでもあり、この市庁舎へのエレベーター設置は、本来ならもっと早い段階で対応すべき課題であったと私は考えております。
 そこで、この点について再質問いたします。
 市庁舎のエレベーターは5年でも10年でも早い時期から設置した方が、費用対効果の面からも、また市民の皆さんの利便性という点からも、明らかに良かったと私は考えております。この点につきまして、当局のお考えと私の考えは異なっているかもしれませんが、第1質問のご回答の中で、財政状況が好転した場合には着工したいという部分がありました。確かに財政状況が厳しいから現在はできないが、好転したらやりますというお答えは分かりやすいものですが、現実問題として財政状況が今後好転する可能性というのは、これから急速に生じる日本の人口構成の劇的変化などの要因により期待できるものではございません。ということは結局、市民に最も開かれた施設であり、使いやすい環境にあらねばならぬ市庁舎が、バリアフリーやユニバーサルデザインの理念に沿っていない施設のままこれからも続く可能性が高いことも危ぐされます。経済状況にゆだねれば良いという程度の問題であると、もしも当局がお考えになっているならば、大変残念なことでありますが、この点について2つ質問いたします。
 まず1つ目は、財政状況が好転した場合というのは、単に景気が回復し、税収が増えるという場合だけでなく、合併特例債などでの財政状況の変化による場合も含まれると考えてよろしいのでしょうか。
 そして2つ目は、現在の庁舎は合併後の新市においても、市庁舎として使えることになっておりますが、築40年以上と老朽化も目立ってまいりました。今回、取り上げましたエレベーターの問題だけでなく、様々な点で時代に対応するのが難しい庁舎でもありますが、合併後に新しい市庁舎を建設する長期展望までも現在当局はお持ちなのでしょうか。
 以上、市庁舎のエレベーター関連についての再質問といたします。
 続きまして、富岡公民館の件についてですが、バリアフリーの実現として玄関ドアの自動化やスロープの整備などがすでに実施され、さらに今年度は洋式トイレの設置と、エレベーターを除いた点では様々なご配慮をしていただきましてありがとうございます。しかしながら、エレベーターについては必要性は十分に認識していただいているものの、財政的な問題から17年度の設置は困難とのご回答でした。
 しかしこの点につきましても、先ほどの市庁舎のエレベーターの件で触れた内容の繰り返しになりますが、現在も必要なものであり、さらに今後も一層必要性が増すことは明らかなのですから、同じ費用をかけるにしても、1年でも2年でも早い方がメリットが大きいのではないのかと私は強く感じております。そうした観点から考えますと、当局の方針は少々長期的な展望という点で欠けているところがあるように思えてなりません。結局このままですと、10年たっても同じ議論の繰り返しをするだけで、多くの市民の皆さんの不利益、不便が募るばかりになることが懸念されます。
 そこで、この件について再質問いたします。
 財政上の問題から、エレベーターの設置は何年も先送りされている課題のようですが、将来的に設置するお考えがあるのなら、1年でも早く設置した方が長期的な視点から見れば費用対効果の面でも、市民の皆さんの利便性という面でもメリットが大きいと私は考えておりますが、この点について当局はどのような考えをお持ちでしょうか。この1点を富岡公民館のエレベーター関連の再質問といたします。
 また、最後の、トイレのバリアフリー化についてですが、大変具体的なご説明をいただきまして、ありがとうございました。また、今回の一般質問の前に、市民の皆様からのご要望としてお聞きしておりました本庁舎3階の洋式トイレの設置や、和式トイレの手すりを付けることなども、改修予定ということで、当局のご配慮には心より感謝申し上げます。
 先日市内のあるコンビニエンスストアーのトイレに寄りましたら、バリアフリー・ユニバーサルデザインに基づいたトイレになっておりまして、びっくりしたことがございます。このように、民間の施設でも急速にトイレのバリアフリー化が進んでおります。公民館のトイレの洋式化は、順次進めていただけるとのご回答がございましたが、そうした社会情勢を踏まえた上で、ぜひ富岡市の施設も、この点につきまして今後前向きに取り組んでいただけますよう要望いたします。
 以上、再質問といたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(勅使河原喜夫君) 市長。
○市長(今井清二郎君) 茂原議員さんの再質問にお答えをさせていただきます。
 まず、市役所本庁舎のエレベーター設置についてでございますが、茂原議員さんのご指摘のとおり、設置は少しでも早い方が費用対効果で有利というご指摘や、市民のバリアフリーを進める観点からも、財政的な理由で引き延ばすのは好ましくないという指摘については、いずれももっともであり、よく私も理解できるところでございます。この点につきましては、私が市長に就任したのは、平成7年でございますが、その時点でもうすでに新庁舎建設検討委員会が設置されておりまして、富岡市は新庁舎を造ろうという計画をし、そのための基金も積み立ててきておりました。私が市長に就任した時点は平成7年ですから、たまたま今の合併特例法がスタートした年でございました。そして、将来的に10年間の特例法の期限だったものですから、私はその計画があることを十分承知しながら、議会の皆様にも合併が10年以内に多分あると思うから、新庁舎の建設については現在は手をつけない、合併してから考えた方が合理的だということで、議員の皆様方にもお話をさせていただいたことがございました。その当時から、現庁舎は非常に構造的に使いにくい、あるいは部屋数も少なく、本庁舎のほかに北庁舎、南庁舎、それから、ガス水道会館というように、分散をしなければ行政の仕事が全部できないという狭あいさということもございました。ですから本来であれば、その時点で建て替えをするということも考えたわけでございます。しかし、合併という大きな問題を控えていたために、現在のまま新庁舎を造ったのでは、合併後すぐにまた増改築をしなければならないというようなことから、新庁舎を建設しない、少なくとも合併問題が片を付けるまでは新庁舎は造らないという宣言をさせていただいたわけでございます。そういう前提条件がございますので、エレベーターの設置につきましても、現在は財政的な問題ということも言っておりますが、もちろん財政が豊かであればすぐにでもやりたいことでございますが、財政問題とからめまして、市町村合併の問題も含めて、現在の時点ではエレベーター設置をすることは合理的でないというような判断をいたしているわけでございます。
 財政というのは時として、絶対的なものでありまして、予算編成を考えますと次年度の予算を編成する場合には、どんなにやりたい事業がありましても、どれかをカットしなければ予算の歳入と歳出のバランスがとれないということになりますと、予算編成では財政問題というものは絶対的なものになります。ですから、やりたくてもできない事業があることは是非ご認識をいただきたいと思うわけでございます。
 具体的なご質問で、財政状況が好転した場合というのは、単に景気回復や税収増という場合だけでなく、合併特例債などでの財政状況の変化も含めて考えて良いのか。こういうご質問もございました。
 このエレベーター設置は、合併特例債というものの対象になるかどうか、これは若干疑問であり、研究してみなければなりませんが、当然のこととして、必要な事業の予算化については、財源というのは極めて広く求めているということでございますので、可能であれば特例債でもこの事業化が進められるのではないかと考えております。
 また、合併後の庁舎をどうするのかという点でございますが、先ほど述べましたように妙義町との合併協議で分庁方式を採用するということが決まっております。この期限については、いつまでと特に定めておりません。将来、効率的な庁舎を求めていくならば、いずれ統合、いずれ1箇所で事務所を構えるということに当然なると私は思っております。特に、富岡市の庁舎は昭和38年に建てられた庁舎でございますので、増改築にも適さず、全面的に新庁舎にしていかなければ、合併後の統一された庁舎にはなっていかないだろうと考えているわけでございます。その時期は、先ほども特に定めていないと申し上げましたが、合併特例債が10年という期限を持っております。10年以降は合併特例債を使えませんので、合併特例債を使って庁舎を建てるとすれば、10年以内ということになるわけでございますので、これは後ほどの問題でございますが、そのような方法も考えられるのではないかと思うわけでございます。
 次に、富岡公民館のエレベーター設置についての問題ですが、市庁舎のエレベーター設置と基本的に同じような状況でございますので、財政状況が許せるならばすぐにでも設置したい工事でございます。しかし、私どもはエレベーター設置については、富岡公民館は外付けをしなければならないという事情もありまして、大変にお金もかかりますし、大変難しい問題も含まれていますので、現在は見送りをしているわけでございますが、富岡公民館の利用を便利にするために、手をこまねいているわけではなくて、ご存じのように、自動ドアを設置したり、スロープを設置したり、出入口についてはもう進歩した改築が終わっております。さらに、先ほど壇上から申し上げましたように、2階、3階の洋式トイレ化もすでにしているわけでございまして、できるものから順次行っていく。一度にはできないけれども、順次改善を行っていくということで進めているわけでございます。
 なお、現在、富岡駅前の活性化と福祉や教育の拠点として改修計画を作っております、旧丸川屋さんの建物にはエレベーターが現在ありますが、新たにエレベーターを設置する予定もございます。どうしてもエレベーターの利用がなければできない会議は、ぜひ改修後の旧丸川屋さんの建物をご利用いただければと考えております。また、富岡公民館には1階に2つの会議室がございます。高齢者や身障者の方々には、この1階をできるだけ利用していただくというのも1つの方法かと思いますので、こういう方法を取り入れれば、少しは不便が解消できるのではないかと考えております。
 誠に言い訳のような答弁で申し訳ありませんが、以上のような状況でございますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
 以上で、私からの答弁とさせていただきます。
○議長(勅使河原喜夫君) 6番。
○6番(茂原正秀君) ご丁寧なご答弁ありがとうございました。
 市庁舎のエレベーターの件についてですが、現在は平成18年3月の妙義町との合併の予定のある関係上、新庁舎の建設などについて明確なプランをお話したりするというのは、難しい時期であるとは思います。今後、新市の具体的な計画を作成する段階におきましては、ぜひ現状を十分にご認識していただいた上で、早急にすべき最重要課題として取り組んでいただきますようお願いいたします。
 また、富岡公民館のエレベーターの件については、旧丸川屋にエレベーターを設置し、公民館的な機能を持つ施設として市民の皆さんに利用していただくとのことですが、大変に具体的なお話をありがとうございます。富岡公民館のエレベーターの設置は無理でも、すぐ近くの施設で対応していただけることで安心しました。旧丸川屋の方はこれから改修工事を行うわけですから、ぜひとも長期的な視野に立ってどんな方でも快適に使えるような施設になりますよう、万全の対策をしていただけますよう重ねてお願いしたいと思います。
 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(勅使河原喜夫君) 以上で、一般質問は終結いたしました。