○議長(齋藤昌平君) 日程第3、これより一般質問を行います。一般質問は、会議規則第50条第3項の規定により、議長の定めた順序によりこれを許します。6番議員 茂原正秀君、ご登壇、ご質問願います。6番。
(6番 茂原正秀君登壇)
○6番(茂原正秀君) 議長のお許しをいただきましたので、通告してあります3件について質問をいたします。
 まず一つ目は、インターネットを使った総合的な産業振興についてでございます。
 バブル崩壊後、みぞうの長期不況が続いております。富岡市内におきましても、工業の分野では大手メーカーの工場撤退、縮小による失業や下請けメーカーの受注量の激減、また、商業の分野では多数の大型店進出やコンビニ、100円ショップなどの新しい商業勢力の台頭による既存商店・商店街の停滞、さらに、農業においても安価な中国産野菜との価格競争など、身近なあらゆるところでこのデフレ不況の深刻さが見られます。しかし、だからといって、すべてを景気が悪いから仕方ないと見過ごすわけにはいきません。こんな時だからこそ、一企業、一商店、一個人ではできない産業振興対策を行政がリーダーシップを取り、行っていく必要があるかと思われます。 
 そこで、一つご提案したいことがございます。それはインターネットを使った富岡市の商・工・農業を含めた総合的な産業振興です。具体的に申し上げますと、現在インターネット上には多数のショッピングモールと呼ばれる商店街がございます。これの運営母体は富岡市で、出店するのは市内の事業者、そして、販売する物はメイドイン富岡である品、富岡で作られたものという形態で行ってはいかがでしょうか。この構想のメリットを挙げてみますと、まず1つ目に、低コストで始められる。そして2つ目としましては、民間企業のショッピングモールは多数あっても、自治体が運営するものはまだ極めて少ない。よって、本格的に始めればマスコミでも大きく取り上げてもらえるなどの宣伝効果も期待でき、さらには、富岡市の先進的なイメージを築くことができる。そして3つ目としましては、日本全国をマーケットに、しかも価格競争に巻き込まれない高付加価値型のビジネスの展開が可能であること、大きく分けるとこのようなことが予想されます。以上、ご理解していただいたうえで、2点ほど質問させていただきます。
 まず、1つ目の質問は、今後ますますブロードバンド化が進み、インターネットの利用が日常生活に欠かせない時代となりますが、単なる情報発信だけでなく、積極的に市内の事業者の利益につながるようなインターネットの利用を当局はお考えでしょうか。また、富岡市がネット上でショッピングモールを運営することは、法律面や様々な点で何らかの支障、問題があるのでしょうか。
 そして、2番目としましては、縦割り行政という言葉がございますが、商業、工業、農業を一体化したこのような総合的な産業振興は実行可能でしょうか。
 以上、まずこの件につきましては、この2点を質問させていただきます。
 続きまして、観光資源としての貫前神社についてお伺いいたします。
 ご存じのとおり、上毛かるたにも「ゆかりは古し」と詠まれている貫前神社は、1400年の歴史を持ち、国の重要文化財にも指定されております。正に、上州一ノ宮の名前が示すように、富岡市というよりは群馬を代表する格式、伝統を誇る神社でございます。ところが、これほどの神社であるにもかかわらず、二年参りや初もうでで県内一の参拝客を集める以外はにぎわいに欠けており、富岡市の貴重な観光資源としては、残念ながら有効に利用されているとは思えません。その原因の一つは、これまで当局も様々な観光用パンフレットで貫前神社を紹介するなどの努力はされておりますが、こうした従来型である観光客招致の手法が、現在の観光客のニーズに合っていないからではないかと考えられます。ビジネスの世界では、演出力や企画力が重要な時代です。そうしたマーケティング的な考え方を観光行政に導入し、貫前神社を外部にアピールしていけば、富岡市の観光産業だけでなく、市の知名度やイメージアップにもつながり、地域経済の活性化にも役立つかと思われます。それらを踏まえたうえで、次の2点を質問させていただきます。
 まず1番目、貫前神社は、観光の素材としては申し分ない存在と思われますが、従来のような観光パンフレットに掲載するのが中心という方法では、費用対効果の面で余り効率的とは考えられません。最も安く、宣伝効果が高いものとしましては、テレビ番組のロケ地として使われたり、雑誌の記事に取材されるなどの形で取り上げてもらうことなどが考えられますが、そのようなマスコミ業界に、これまで観光行政として売り込みを掛けるなどの活動はなさったことはあるのでしょうか。
 そして2つ目ですが、貫前神社のある一ノ宮地区は、これからの街づくりの取組方によっては、県内有数の門前町という大きな特徴を外部にアピールできる可能性を持っておりますが、そのような街づくりに対して当局はどのようにお考えでしょうか。
 以上、この件につきましては、この2点を質問させていただきます。
 そして最後は、小中学校に設置されたパソコンの利用についてでございます。
 21世紀は情報技術(IT)の時代と言われてから何年も経ちましたが、現在、私たちの日常生活の面でもこうした技術は必要不可欠なものとなりつつあります。その最も初歩的なものとして、パソコンを扱える技術が考えられますが、現在、市内の小中学校では、そうした技術に対応できる能力を子供たちに身に付けさせるためパソコンが設置されております。ところが、一人の父親として我が子から聞く話では、パソコンの利用の仕方について疑問に思える点がございます。それは、担任の先生によって授業でパソコンを使う頻度に大きな違いが生じていると考えられることです。小中学校での授業において、パソコンに触れる機会が多いか少ないかで、将来パソコンを扱える能力に大きな差が生まれるかは分かりません。でも、パソコンは、しょせん何かをするための道具なのですから、子供のころからその便利さを数多く体験することは、将来その技術を身に付けるうえで強い動機付けにもなり、重要なことと考えられます。そこで、次の2点を当局に質問いたします。
 まず1つ目は、現在、どのように子供たちは学校でパソコンを使っているのでしょうか。
 そして2番目としまして、指導する先生のパソコンを扱える技術の力量によって、子供たちがパソコンに触れる機会に差が生まれてはいないでしょうか。
 以上、壇上からの質問とさせていただきます。ご答弁のほど、よろしくお願い申し上げます。
○議長(齋藤昌平君) 市長。
(市長 今井清二郎君登壇)
○市長(今井清二郎君) 6番 茂原議員さんのご質問に順を追ってお答えをいたします。
 まず、最初にご質問の、インターネットを使った総合的な産業振興についてでございますが、茂原議員さんのご指摘のとおり、バブル崩壊後の日本経済は、これまで経験したことのない長期不況にさらされ、閉そく感が漂っております。これを端的に表しておりますのが国際競争力でございまして、日本の国際競争力を見ますと、1993年の世界第2位から昨年の発表では30位と急速に低下しています。このことは、下請け企業の存続や地域の雇用問題に多大な影響を及ぼしておりまして、報道等におきましても、幾つかの市内企業が倒産、また、従業員の削減や分社化を行ったことが伝えられております。
 さて、議員さんご質問のインターネットでございますが、3月8日の朝日新聞の報道によりますと、総務省が7日に発表した2002年末のインターネット利用者は6,942万人、前年から1,349万人増加し、人口で見る普及率は54.5%に達しております。この数値は、1997年末の普及率9.2%からわずか5年で約6倍になり、実に2人に1人が利用するようになったことになります。まさしく議員さんのおっしゃるように、インターネットを使った商売は、これからの大きな流れになるのではないかと思われます。
 そこで、市では個人情報の把握はできておりませんが、まず、本市の商業面でのインターネット利用による取引の現状について申し上げてみます。市内の商店が、どれだけホームページを作り商売をしているかということになりますが、例えば、富岡市のホームページのリンク集に「市民の皆さんなどのホームページ」という箇所がございます。ここには44件の登録があり、このうち商売が目的と追われるホームページは9件ほどで、ショッピングモール的なホームページと思われるものも小規模ながら既に2件ございます。
 ご質問の、ショッピングモール的なホームページを富岡市が母体となり運営してはどうかとのことでございますが、現在、このような取組は、東京都の荒川区が実施しておるようでございます。その内容を申し上げますと、荒川区では、区が母体となり、民間への委託業務によってインターネットの商品販売を行っているとのことでございます。事業の具体的内容は、区がショッピングモールの構想を示し、委託先をコンペにかけ、落札した業者が企画、運営を行っておりまして、委託費用は、年間500万円とのことでございます。また、これとは別に、開発に1,000万円の経費が掛かっているとのことでございます。
 なお、販売手数料等は、区はもちろん、運営している企業も取っておらず、純粋に区内の事業者の支援として実施していると聞いております。
 このショッピングモールには、ファッション、生活、インテリア、雑貨など、8つの分野に61店が出店し、それぞれの店で独自に支払方法や送料、また、返品方法などを決めておりまして、商品取引上のトラブルには区は責任を負わない旨を規定しているそうでございます。このような先進事例があるわけでございますが、こういったモールを運営することについての事業効果と出店可能な商店の数や商品メニュー、そして、取引に対する消費者と生産者の不安の解消などについて、今後、十分研究する必要があると考えております。
 次に、商業の利益につながるインターネットの利用について申し上げます。近年におけるIT化の急速な進展とともに、インターネットを利用した商品取引は、生産者と消費者を直接的に結びつけることから、これまでの市場になかった分野に新しい市場を創出したり、コスト削減に寄与するなど、大きな期待が寄せられているところでございます。一方、インターネット取引では、一般的に取引相手の顔が見えないため、取引に必要な基本情報について未知のケースもあり、課題も多いと聞き及んでおります。
 次に、工業面について申し上げます。議員さんのご質問のように、製造業の分野においても、世界的デフレの中で、長期の景気低迷が続いておりまして、大手企業は国内製造拠点の集約、中国等のアジア諸国への工場移転等、限りなくコストダウンの追及を行い、世界企業とのコスト競争を勝ち抜くための努力を行っているところでございます。このため、国内の多くの部品製造の中小企業は、加工賃の引き下げや国際価格への追随を余儀なくされており、競争相手は国内にとどまらず、世界の多くの企業となっております。この世界的競争は、通信手段の発達が大きな一因とも考えられ、世界で最も安いものが手に入るといった最適地域、最適価格での製造が可能となったことでございます。まさしく議員さんのおっしゃいますように、インターネット等情報通信手段を駆使しての結果であろうと思われます。
 さて、ご質問にございます積極的に市内事業者の利益につながるようなインターネットの利用につきましては、工業分野においても積極的に利用を進めていく必要があると考えております。今年度におきましては、各企業が作成したホームページを調査するとともに、既にホームページを作成してある企業については、市のホームページにリンクいたしました。また、「富岡市の工業」としてホームページを作成するため、市内企業約600社に対し、会社情報の原稿依頼を行っているところでございます。今後の「富岡市の工業」のホームページ作成に当たりましては、各事業所の紹介はもとより、業種別の企業紹介、協同組合の紹介、群馬県で提唱している「一社一技術」選定企業の紹介等、富岡地域の工業集積をアピールできるよう、各事業所を訪問し情報の収集に当たりたいと考えております。
 また、工業製品においては、メイドイン富岡といわれる最終的完成品が少ないことから、ショッピングモールによる工業製品の販売ということではなく、むしろ、富岡市の企業を紹介することによって、見積依頼等の商談機会の増大につながればと考えているところでございます。この富岡地域は、多くの中小企業が集積しており、様々な業種がございます。この事業者が連携すれば、すばらしいものづくりができるのではないでしょうか。人材育成や技術情報交流、異業種交流、企業相談、企業情報の発信等といった、富岡市の工業をサポートする施策の一つとして、インターネットの積極的な利用について今後も検討してまいりたいと思います。
 続きまして、農業振興について申し上げます。農業の分野におきましても、安い外国産農産物の輸入急増により価格は低迷し、農家の経営を圧迫しております。加えて、WTO農業交渉が現在行われておりますが、仮に、日本提案が通ったとしても、関税の引き下げが行われ、輸入農産物の更なる増加は必至であり、ますます厳しい農家経営を強いられることとなります。このような状況の中で、富岡市の農家では、安全、安心を合言葉に、減農薬、減化学肥料栽培、有機栽培の普及を図っており、付加価値を付けた農産物の生産に移行しようとしております。このようにして生産された農産物は、食彩館などの直売所や首都圏のインショップなどで販売され、大きな評価をいただいております。また、それらを使った加工品なども地元を中心に販売されておりますが、一部の農家におきましては、既にホームページを開設し、インターネットを利用しての販売を行っており、成果を上げているところでございます。今後におきましては、これらのホームページ開設者の意向を踏まえたうえで、市のホームページとリンクさせることを検討していきたいと考えております。さらに、ホームページの開設を希望するところがあれば、それらにつきましても同様に取り扱ってまいりたいと考えております。
 次に、市がネット上でショッピングモールを運営することに法律上何らかの問題があるか、とのご質問でございますが、電子商取引推進協議会に問い合わせをいたしましたところ、既にネット上でアンテナショップを運営している地域もあるようでございます。しかし、公益性や運営上のノウハウ、あるいは、事業効果を考え、そのほとんどが委託又は第3セクターとして行っているのが実情のようでございます。
 なお、特定商取引法上では、問題はないと聞いております。
 以上、農工商を通じ、インターネットを利用した産業振興についての現状と当面の考え方を申し上げました。茂原議員さんのご指摘のとおり、とかく行政は縦割りといわれておりますが、全庁挙げての協力体制の時代でございます。このようなインターネットを利用した商業振興は、十分可能であると考えております。今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、ご質問の2番目、観光資源としての貫前神社についてにお答えをいたします。
 はじめに、貫前神社については、茂原議員さんが地元中の地元でございまして、富岡市の誇る有数の観光資源でもあることはご指摘のとおりでございます。また、課題や問題点についても議員さんのおっしゃるとおりでございます。
 では、具体的なご質問にお答えをいたします。従来型宣伝だけではなく、マスコミ業界への売り込みも必要ではないかということでありますが、本市の観光を語るうえで、旧官営富岡製糸場、群馬サファリパーク及び貫前神社は、全国的にも名前が知れ渡っております。そこで、観光キャンペーン事業の一環といたしまして、群馬の旅・特別宣伝協議会が主催する観光宣伝とともに、首都圏の旅行会社やマスコミ関係者を対象に、本市の紹介と観光宣伝を行っております。このような宣伝は、誘客につながってまいりますので、今後とも、観光協会共々機会あるごと積極的に参加してまいりたいと考えております。また、来年度から、日本道路公団佐久管理事務所が中心となり、事務所管内沿線の市町村で連絡協議会を組織し、従来の首都圏を中心とした観光キャンペーンに加えまして、高速道路を活用して信越方面への宣伝にも進出していきたいと準備を進めております。
 なお、テレビや映画のロケ地としての活用や雑誌への掲載についてでありますが、おっしゃるとおり、費用も掛からず大きな効果のあることでありますので、どのような手段があるのか研究してみたいと思います。
 次に、一ノ宮地区についての街づくりの取組方について市の考えは、とのことでございますが、本市の観光施設には、年間およそ100万人の入り込み客がございます。この観光客に市内施設を回遊していただき、滞在時間が長くなることにより、各方面への波及効果が期待できます。一つの施策といたしまして、昨年度、県の観光事業補助金を活用して、もみじ平総合公園から貫前神社や群馬サファリパークへの道路案内標識を254バイパスとほかに3か所設置し、観光客の利便性を図りました。さらに、平成15年度は、貫前神社前の市道5187号線の街路灯を、県、観光協会、地元の三者で改修整備する計画をいたしております。その際には、場所が神社前でありますので、周りの景観にあった街路灯にしていきたいと考えております。
 また、貫前神社はご指摘のとおり、格式、伝統とも関東周辺でも知名度は抜群であり、神社以外にも、通称「お女郎坂」と呼ばれている坂道は、今もなお昔の面影を懐かしくとどめております。また、市営駐車場の下には「あやめ谷」と呼ばれていたあやめの群生地があったとも聞いております。さらに、隣接する県立社会教育館の活用方法も一考としてあります。そして、来る平成16年申(さる)の年は、12年に一度の式年遷宮の年に当たり、初もうで以外の大きな祭礼が行われ、多くの地域の皆さんがかかわってまいります。これら神社の神事や催し事の両面について、神社に対して行政として何ができるかを見極め、観光行政としての立場を明確にしながら、神社と地域の皆さん、また、観光協会との連携を図ってまいりたいと思います。
 富岡市が、県内外に誇れる貫前神社でございます。今後も、貫前神社の門前町として誇りを持って街づくりに対応しようとする地元の皆様とともに、発展的に考えていきたいと思っております。
 次に、小中学校に設置されたパソコンの利用についてのご質問にお答えをいたします。
 コンピュータや情報通信技術の急速な進展とともに、本市においてもすべての小中学校にコンピュータ室が設置されました。21世紀は更にグローバル化が進み、人類共通の情報伝達手段としてコンピュータが使われるようになると思います。
 パソコンのように最新の機器を使うには、若い人ほど適応が速いようであります。年齢を重ねるごとに、過去の経験が邪魔をして柔軟な発想ができず、保守的になるからだと思います。実は、私もコンピュータに適応するのが極めて遅い世代の一人であります。小学校の児童たちなら何の抵抗もなくパソコンに取り組めます。こんなことから、パソコンも小学校からということになったのだと思います。しかし、どんなにコンピュータが発達しても、過去、人類が積み上げてきた基本知識、技術、情報を学ぶことは欠かせません。日本人なら、きれいな日本語を話し、正確な文字を書く、歴史を学び、社会の現況を知り、科学的な知識を習得する。また、喜び、悲しみ、感動し、笑い合って、人と人との交流を深める。このような理性と情緒は、人間が獲得してきた社会生活の基礎技術でもあり、特に、小学校時代に学び、習得することが大切であります。こんな基本知識、情緒を持って最新のパソコンに向かえば、より一層効果が上がるのではないでしょうか。その上で、情報機器としてのパソコンを教師及び児童生徒が道具としてどう使いこなすかが、非常に重要なことだと思います。
 なお、詳細につきましては、教育に関する内容でございますので、教育長から答弁をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 以上、壇上からの答弁とさせていただきます。
○議長(齋藤昌平君) 教育長。
○教育長(岩井榮壽君) 命によりまして、茂原議員さんのご質問にお答えいたします。
 まず1点目の、現在、どのように子供たちは学校でパソコンを使っているのかというご質問でございますが、議員さんご案内のように、本市では、小学校は平成8年度より3か年計画で3校ずつ全9校に、中学校は平成11年度に一斉に全5校にコンピュータ室が設置され、現在、市内各小中学校からインターネットに接続できる環境が整備されております。また、普通教室でもコンピュータ活用ができるようにノートパソコンを学校規模に応じて数台ずつ導入しております。 こうした環境の中で、市内各小中学校における子供たちのコンピュータ利用は、学習の補助的役割を担うことを中心に、主にワープロ、表計算、シミュレーション及び調べ学習の道具としてインターネットを利用するなど、学習内容に応じた多様な活用をしております。また、パソコンクラブを設け、クラブ活動として児童の興味、関心に基づく学習をしている小学校もございます。平成14年度から全面実施となった総合的な学習の時間や、本市の教育行政方針の重点施策の一つであります独創教育等を推進するに当たり、子供たちの主体的な学習を支援するため、今後インターネットによる交流は、ますます盛んになっていくものと思われます。現在、13校が公式ホームページを立ち上げており、学校や子供たちの様子などを情報発信しております。また、オーストラリアの姉妹校とインターネットを通じて国際交流をしている学校もございます。児童生徒は、コンピュータの操作方法の習得だけでなく、たくさんの情報の中から必要なものだけを取捨選択する能力やネット上のマナー、いわゆるネチケット等のコンピュータ・リテラシーを身に付けることが大切でございます。そこで、特に教育委員会では、平成12年4月からインターネット利用に係るガイドラインを作成し、各学校に周知するとともに、各学校におけるインターネット利用のガイドラインを作成し、互いに共通理解を図り、コンピュータ・リテラシーの向上に努めているところでございます。
 次に、2点目の、指導する先生のパソコンを扱える技術の力量によって子供たちがパソコンに触れる機会に差が生まれてはいないか、とのご質問でございますが、本市では、教師が日常的にコンピュータを活用し、操作技能を高められる環境づくりとして、職員室内LANを整備したり、夏季休業中に全教職員を対象にコンピュータ実技研修を実施したりするなど、施設設備や研修態勢を充実させてきたため、本市教職員のコンピュータ操作技能は、群馬県教育委員会が設定したコンピュータ操作到達目標に照らし合わせると、平成14年6月の実態調査では、おおむね高い割合で目標をクリアしております。しかし、情報通信技術等の著しい進展とともに、導入当初のコンピュータが古くなり、授業で活用しにくい環境になってきたことも一因かと思われます。財政厳しい折りでございますが、こうした実態を憂慮し、平成15年度は西中学校校区の小学校3校に500万円ずつ予算を計上するとともに、次年度以降も逐次、各小学校500万円ずつの予算を計上して、情報教育充実のための改善に努力してまいりたいと考えております。
 また、教育の情報化を推進するために、文部科学省は平成14年8月に初等中等教育におけるITの活用の推進に関する検討会議の報告書の中で、平成17年度を目標に、あらゆる授業においてコンピュータを活用した学習活動が可能となるよう、おおむねすべての公立学校教員がコンピュータを活用して指導できるようにするために、IT活用指導力向上プランが明示されました。このことを受けて、情報教育に関する教員研修の在り方も、コンピュータの操作技能の取得から各教科でのコンピュータやインターネットを活用した授業実践へ重点化されましたので、各教科等で学習内容を身に付けるためのコンピュータの効果的な活用方法など、情報教育に関する教職員研修をより充実させてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(齋藤昌平君) 6番。
○6番(茂原正秀君) それでは、再質問させていただきます。
 まず、第1のインターネットを使った産業振興につきましては、富岡市の商業、工業、農業の現状を細かく分析したうえでのご回答をいただきましてありがとうございます。また、東京の荒川区が行った試みについてですが、私もある経済誌で、荒川区長のインターネットを利用して地域の事業者のためになることをやりたいという話を、昨年読んだことがございました。でも、具体的な運営方法やコスト面での内容は知りませんでした。いろいろとお調べいただきまして、重ねてお礼申し上げます。
 さて、本題に移りますが、ただ今のご回答を伺ったところでは、富岡市としても、インターネットの活用が今後の産業振興には欠かせないことは十分に認識されておるし、また、積極的に取り組んでいきたいという感触を得ましたが、さらに2点ほど具体的に質問させていただきます。
 まず1つ目に、富岡市がネット上でショッピングモールを運営することは法律的には問題ないものの、第3セクターに委託する方が現実的ではないかとの内容が先ほどございましたが、もしも第3セクターが母体となって行う場合、その組織はどのような構成になるのかお尋ねします。
 そして2つ目ですが、今行政に必要なものとして、私は、シンプル、スモール、スピーディーの3つのSで始まる要素ではないかと常々感じております。もし、このネットを利用した産業振興が費用対効果で優れたものとお考えなら、是非とも他の自治体に先駆けて、スピーディーに富岡市で行えないものか、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、観光資源としての貫前神社についてですが、ご回答の中で、当局も売り込みにご努力されていることは分かりました。でも、率直な感想を述べさせていただければ、先ほどご説明いただいたような宣伝活動は、どの自治体でも行っている横並び的な発想という印象は否定できません。もっと多くの方にアピールし、訪れてもらえるような貫前神社にして、富岡の観光産業が発展するためには、もう少し新しい売り込み方があるのではないでしょうか。
 一例を挙げれば、今フィルムコミッションという活動が注目されています。その内容は、映画を始め、テレビドラマ、コマーシャルなどの撮影に地域を挙げて協力していくという事業です。このフィルムコミッションのような形で売り込み、テレビで放映されたり雑誌に紹介されるようなことになれば、従来の宣伝効果とは別の計り知れぬ効果があるかと思われます。貫前神社の魅力について具体的に申し上げれば、春の桜のシーズンなどは、多くのアマチュアカメラマンが写真撮影に訪れることからも、絵になる光景が多いと思われます。また、夜の神社の神々しさや静けさもすばらしいものがございます。私は、学生時代4年間京都市に住んでおりましたものですから、同世代の中では、神社もお寺も数多く見ている方であると思いますが、貫前神社の観光資源としてのレベルは、日本を代表する観光地である京都の寺社仏閣と比べても、見劣りしないほどの高いものと強く感じております。
 そこでお尋ねいたしますが、富岡市への観光客を増やすためには、まず富岡の魅力を知っていただかなければなりません。従来型の活動にこのフィルムコミッションという手法も加えて、貫前神社のPRをするというアイデアに対し、当局はどのようにお考えでしょうか。
 また、一ノ宮地区の門前町という特色をこれからの街づくりに役立たせるため、それにふさわしいような道路標識や街灯の設置、景観の保存などを当局は進めてくださるとのことですが、群馬県で一番の神社がある地区という特色を生かした街づくりを、今後も継続して進めていただきますよう要望いたします。
 そして、最後の小中学校のパソコンの利用についてですけれども、先ほどのお答えを整理しますと、現在子供たちの主な利用の仕方は、ワープロ、表計算、インターネットの3つとのことのようです。これは、私たち一般社会人と同様な使い方と思われますが、現在のパソコンが持つ最もすばらしい機能であるEメールは利用していないのでしょうか。具体的に申し上げますと、一瞬にして地球の裏側まで、文書だけでなく写真画像、音声、動画まで送ることが可能なこの機能を使えば、海外の生きた情報を手に入れることができ、使い方によっては大きな教育効果が期待できます。例えば、小学生ならば、海外の日本人学校と同学年の子供同士でEメールを使った交流を持たせたり、また、中学生ならば、富岡市の姉妹都市であるオーストラリアのアルバニー市の中学生と英語でのメールのやり取りをさせたりすれば、パソコンの技術を身に付けさせる以上に、様々な情報や体験、実際に使える英語力などを子供たちに与えることができるかと思います。21世紀の国際化時代、パソコンを扱える力と英語力がグローバルスタンダードであることを考えれば、各学校に設置したパソコンの利用法に英語でのEメールは加える価値があるものだと私は強く感じますが、当局はどのようにお考えでしょうか。
 そして、最後に、指導する先生のパソコンを扱える技術の力量によって、子供たちがパソコンに触れる機会に差は生まれないかについてですが、まず、富岡市の先生方のレベルは群馬県教育委員会の到達目標を高い割合でクリアしているとお聞きしまして、安心しました。ただ、一般論ではございますが、パソコンなどの新しい分野のことは、どうしても対応できる能力に大きな個人差があるかと思われます。例えば、教育委員会から先日いただきました資料を見ますと、小学校の先生160人の中で15人に1人がWindowsの起動、終了ができない、また、4人に1人は、指定されたURLのホームページを表示できないとのことですが、このような先生方がさらに高度な内容であるワープロ、表計算、インターネットを授業で子供たちに、たとえ補助的な利用とはいえ、指導することは可能なのでしょうか。また、万一、現在何らかの支障や問題があるのならば、パソコンに詳しい父兄や地域の方などに指導の補助をしてもらえるような体制をつくることなども、当局はお考えでしょうか。
 以上、再質問についてよろしくお願いします。
◎ 休  憩
     午後1時58分休憩
○議長(齋藤昌平君) 暫時、休憩いたします。
◎ 再  開
     午後2時11分再開
○議長(齋藤昌平君) 再開いたします。
◎ 続・一般質問
○議長(齋藤昌平君) 休憩前に引き続き一般質問を行います。市長。
○市長(今井清二郎君) 茂原議員さんの再質問にお答えをさせていただきます。
 まず、インターネット関係、産業振興についてでございますが、茂原議員さんにつきましては、ご自信もインターネット販売に早くから取り組み、大変大きな成果を上げられているとお聞きしております。ネット上のショッピングモールといえば楽天市場などが日本の先駆け的な存在のようですが、投資も、ネット構築というソフト事業であり、投資対効果の点から見れば絶大な利点が挙げられているようであります。参加者も多く、大変大きな発展をされているとお聞きいたしております。しかし、その分、ソフトウエアの善しあしが成果を決めることになるのではないでしょうか。時代感覚をきちんと持って、優れたソフトを作ることが大変大事なポイントになると思います。議員さんがおっしゃいますシンプル、スモール、スピーディーの3Sについては、現在のような状況の中では、特に行政にも強く求められておりますが、一方、行政の行う事業はすべて市民の税金が使われております。このため、実施までには、より一層十分な研究が必要であり、また、企画段階から民間の方々の積極的な参加が必要でございます。茂原議員さんの経験を生かしたご指導を是非お願いしたいと思います。
 次に、貫前神社の観光についてでございますが、京都の寺社仏閣と比較しても見劣りがしないという指摘は大変うれしい限りでございます。フイルムコミッション等を取り入れながら、既存の媒体を有効に活用するというアイデアも効果があり、夢にもつながると思います。
 なお、具体的なご質問のお答えについては、担当部長より答弁させていただきます。
 また、小中学校のパソコン利用についてのご質問につきましては、教育長よりお答えを申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(齋藤昌平君) 経済部長。
○経済部長(金井 茂君) それでは、命によりまして、茂原議員さんの再質問にお答えをさせていただきます。
 まず、ネット上のショッピングモールをもしも第3セクターが母体となって行う場合には、その組織はどのようなものになるのかというご質問でございます。ご承知のように、第3セクターにつきましては、一般に国あるいは県、市町村等の公共団体と民間企業が資金を共同出資をいたしまして立ち上げる事業体のことを申します。ご質問の内容は、その民間企業はどういったところが想定されるのかということかと思います。現段階では、具体的なものはまだございませんけれども、その場合には、扱う品物について関係する企業や団体が変わってくると考えております。例えば、農産物を扱うことになれば、JAであるとか、あるいは、商品や工業製品を扱うということになれば、商工会議所を始めとして商店街組合や工業協同組合、こういったところが入ってくると思います。それに加えまして、高度なIT技術を持つコンピュータ関連の企業にも参加していただくということが選択肢としては考えられると思っております。
 次のご質問の、ネットを利用した産業振興でございますけれども、インターネットの普及は、社会の仕組みそのものを大きく変えつつあるわけでございます。こうした状況下での行政運営は、議員さんのおっしゃいますとおり、正にシンプル、スピーディー、そしてスモールであることが必要だと思っております。ネットを利用しました産業振興につきましては、諸条件が整えば、積極的に取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、フィルムコミッションによる貫前神社のPRについてでございます。県内では、高崎市、桐生市、そして嬬恋村でこれを実施しているようでございます。そのうち、高崎市の場合は、今年度から商業観光課が担当してスタートしております。これは、映画やテレビのロケ地の情報提供だけにとどまらずに、エキストラの手配や宿泊場所の紹介、さらには、地域住民、市民ボランティアや企業、団体が撮影のあらゆる相談まで協力体制を各方面にわたって整備することが必要であると伺っております。今後、貫前神社を始めといたしまして、市内観光施設のPRの一環として、このフイルムコミッションも視野に入れながら、より効果的な活動を展開していきたいと考えております。それには、やはり神社あるいは地域の皆さん、そして関係機関が共通した理解が必要であろうと思います。県内外からの観光客の増加と観光が与える地域経済への波及効果を十分に認識をいたしまして、観光振興を図ってまいりたいと思っております。地元議員であります茂原議員さんにもお力添いをいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○議長(齋藤昌平君) 教育長。
○教育長(岩井榮壽君) 名によりまして、茂原議員さんの再質問にお答えをいたします。
 まず、1点目のEメールは使用していないのか、英語でのEメールは加える価値があると思うが、とのご質問にお答えいたします。学校における教育は、教育基本法や学習指導要領に教育の目的や内容が定められ、決められた年間標準時数の中で指導することになっております。平成14年度から完全学校週5日制度が実施となり、授業日数が減り、新しい学習指導要領の下で学習内容が厳正され、基礎・基本の徹底や確かな学力を身に付けることが明示されました。学校におけるコンピュータは、基礎・基本の徹底や、確かな学力を身に付けさせるための道具として用いられております。各教科等には、学習指導要領に定められた学習内容と授業の標準時数がありまして、小学校における英語による電子メールの導入は困難と思われます。しかし、小学校のクラブ活動や中学校の生徒会活動及び総合的な学習の時間での国際理解教育などでの学習は、可能であるように思います。
 2点目の、Windowsの起動のできない先生が、さらに高度なワープロ、表計算、インターネットを授業で子供たちに指導することは可能なのでしょうか。支障があるならば、父兄や地域の方の支援をお考えでしょうかとのご質問でございますが、先ほど申し上げました調査対象は、校長、教頭、事務職員も含まれておりますので、実際にパソコンを使える先生はもっと高く、93%以上が実際に授業ができる先生方でございますので、小学校においては支障がないものと考えております。現在、各学校では、開かれた学校づくりの方策の一つとして、ホームページによる情報発信をしておりますし、既に、パソコンに詳しい保護者や地域の人の支援を得て、ホームページを運営している小学校もございます。今後とも、開かれた学校づくりに向けて、パソコンに限らず、地域の教育力を学校経営に生かしていきたいと考えております。
 以上申し上げて、再質問の答弁とさせていただきます。
○議長(齋藤昌平君) 6番。
○6番(茂原正秀君) ご答弁ありがとうございました。
 インターネットを利用した産業振興についてですが、積極的に取り組んでまいりたいというお言葉を当局にいただきましてありがとうございます。また、実際に取組を始めるときには、インターネットを全く使ったことがないような名誉職的な人を中心にするのではなく、ネットの現状を十分に理解している若い世代を中心にプロジェクトを組んで、是非実行していただきますようお願いいたします。
 また、観光資源としての貫前神社の件ですが、今後ますます貫前神社への観光客が増えて、地域経済及び観光産業に利益をもたらせてくれるような新しい方法を、これからも積極的にお考えいただきますよう要望いたします。
 そして、最後の小中学校のパソコンの件ですけれど、平成15年度に西中学校校区の一ノ宮、丹生、吉田小に500万円ずつ予算計上をしていただきましたことに、心より感謝申し上げます。ただ、いろいろな学校の子供たちに聞いても、パソコンを授業で使うのは年に数回程度ということですので、せっかく導入したパソコンが現状では有効に使われているとは思えません。個人の家庭でパソコンを買い、それを全く使わずに古くしてしまってもそれは自己責任でしょうけれど、学校のパソコンは、不況の中皆さんが納めた税金で購入しているのですから、設置しておしまいではなく、これを21世紀を担う子供たちの将来にいかに役立たせていくか、真剣に考えていく必要があると思われます。先生方のパソコンを扱える力については、現在、新たに開始された総合学習や週5日制の導入などによる先生方のご苦労を強く感じたものですから、もしも、授業でのパソコンの利用が、先生の更なる大きな負担になってなかなか進まないならば、何らかの支援体制を作れないものかという趣旨で質問させていただきました。決して、批判をしようというつもりはございませんので、ご理解いただきたいと思います。
 最後に、英語でのEメールについてですけれども、例えば、現在の中学校2年生の教科書ではメールやビデオレターをテーマにしている単元がございます。その発展学習としてとらえれば、十分学習指導要領にも対応した内容になるのではないかと私は思うのですけれども、時代に対応した英語教育として、是非今後導入していただけますよう要望させていただきます。
 以上で、私の質問を終わります。