◎ 開  議
     午前10時00分開議
○議長(齋藤昌平君) おはようございます。議員の出席が定足数に達しておりますので、直ちに本日の会議を開きます。
◎ 日程第1続・一般質問
○議長(齋藤昌平君) 日程第1、昨日に引き続き、一般質問を行います。6番議員 茂原正秀君、ご登壇、ご質問願います。6番。
(6番 茂原正秀君登壇)
○6番(茂原正秀君) 皆さんおはようございます。議長のお許しをいただきましたので、先に通告してあります、外国人英語指導助手の各中学校1人ずつの設置をなぜ富岡市では行わないのかについて質問いたします。
 まずは、私が先日調べました県内各市のALTの人数及び中学校数、平成15年11月現在の表をご覧ください。ちなみに、ALT、アシスタント・ランゲージ・ティーチャーとは、外国語指導助手のことですが、この表のデータをご理解していただきましたうえで、話を進めさせていただきます。
 国際化という言葉が昭和の終わりごろから叫ばれておりますが、時代は確実にその方向へと進んできております。それと同時に、学校での英語教育も、単なるペーパー試験のための英語力ではなく、実際に使える英語力というものに重点が置かれるようになってまいりました。具体的には、高校受験の英語の試験におきましても、かなり以前からヒアリング問題は導入されておりますし、大学受験生の多くが受けるセンター試験におきましても同様でございます。また、ビジネスの世界におきましても、社内の公用語は英語という外資系企業の話が日常的なものになっておるだけでなく、日産自動車のような日本を代表するような企業でも、英語を公用語としているところが増えているように、英語でのコミュニケーション能力の重要性は、今後更に高まる一方ではないかと私は強く感じております。
 そのような時代背景、社会的なニーズに対応するため、小中学校で子供たちがネイティブスピーカーの生の英語に触れる機会を持てるように、現在多数の市町村が外国人の英語指導助手であるALTを採用し、授業に活用しております。富岡市の場合も、アメリカ人男性1人とイギリス人女性1人の計2人が、市内の9つの小学校と5つの中学校をカバーする形で現在指導しております。しかしながら、先日、他市から引越してこられた中学生の子を持つある保護者の方から、富岡市のALTの人数は少ないのではないのかというご意見をいただき、早速、近隣自治体の現状を調査しましたところ、がく然としました。前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市の5つの教育委員会にお尋ねしましたが、前橋市、高崎市、太田市ではすべての中学校に1人ずつのALTを設置しているとのご回答でした。また、さらに、伊勢崎市では中学校は6校ですが、ALTの人数はその2倍以上の14人が採用されておりますし、この5つの市の中で1番少ない桐生市でさえも、中学校12校に対して8人のALTがいるというように、富岡市の5つの中学校で2人という現状よりも、どの市も格段に力を入れております。
 以上の説明をご理解していただきましたうえで、2点質問いたします。
 まず1つ目は、富岡市のALTの設置状況は、県内各市と比較しますと大きく遅れているように思いますが、この現状について市長はどのようにお考えでしょうか。
 そして、2つ目ですが、県内の他市と同レベルの、各中学校に1人づつのALT設置を具体的な期日を決めて実施するお考えを市長はお持ちでしょうか。
 以上、壇上からの質問とさせていただきます。ご答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(齋藤昌平君) 市長。
(市長 今井清二郎君登壇)
○市長(今井清二郎君) 6番 茂原議員さんのご質問に順を追ってお答えをいたします。
 経済、社会の国際化、グローバル化が急速に進む今日、子供たちが21世紀を生き抜くためには、国際的共通語となっている英語のコミュニケーション能力を身に付けることが必要であり、このことは、子供たちの将来のためにも、我が国の一層の発展のためにも非常に重要な課題となっております。これからの時代を担う児童生徒が、将来に役立つ英語による基礎的、実践的なコミュニケーション能力をしっかりと身に付けることは、極めて重要なことであると考えております。
 さて、第1点目の富岡市のALTの設置状況は、県内各市と比較すると大きく遅れているように思えるが、この現状について市長はどのように考えているのかとのご質問でございます。本市では平成7年度より、語学指導等を行う外国青年招致事業、いわゆる、JETプログラムにより、外国語指導助手を任用し、日本人教員とチームティーチングで授業を行ってきております。JETプログラムは、世界のグローバル化の潮流に伴い、大きく変化を遂げつつあった我が国の国際化に対する取り組みの活発化を受けて、昭和62年に創設、開始されたものであり、我が国における外国語教育の充実を図るとともに、地域レベルでの国際交流の進展を図ることを通じて、我が国と諸外国との相互理解を増進し、もって我が国の国際化の促進に資するため、語学指導等を行う外国青年を招致する事業であります。ネイティブスピーカーの活用は、生きた英語を学ぶ貴重な機会であるとともに、外国語や外国文化等に親しみ、自分の英語がネイティブスピーカーに通じたという喜びと、英語学習への動機付けを高めるなどの意味で、大きな意義がございます。このような教育効果を考え、平成12年度からは外国語指導助手を2人に増員し、今日に至っていることは議員さんもご案内のとおりでございます。
 本市における外国語指導助手の中学校への訪問指導の日数は、平成13年度で平均39.2日、平成14年度で40.6日であり、小学校小規模校への訪問指導の日数は7日程度しかなく、現状で十分とは言えないものでございます。このような状況をふまえ、ここ数年、教育委員会から外国語指導助手の更なる増員の要望がございましたが、厳しい財政事情のため、実現が見送られてきた経緯がございます。この間、教育委員会は学校現場の要望にこたえるために、西部教育事務所に本市の現状を理解していただき、事務所に配置されている外国語指導助手を積極的に富岡市の中学校への訪問指導にお願いするなど、現状を少しでも改善し、教育効果を高めるための手だてを講じているところであります。これまでにも、時代の流れや各方面からの要請を受けながら、人的環境をできるだけ整備するよう努めてまいりましたが、議員さんご指摘のとおり、本市におけるALTの配置状況は、他市と比較すると決して高い水準でないことは認識しております。
 次に、第2点目の県内他市と同レベルの、各中学校に1人ずつのALT配置を具体的な期日を決めて実施する考えを持っているか、とのご質問でございますが、平成15年度実績によりますと、外国語指導助手の任用に伴う諸経費は、1人当たり年間557万円であり、市の財政が厳しい中、各中学校に1人づつ外国語指導助手を配置することについては、他の主要事務事業との関係で現在難しい状況がございます。
 本市における外国語指導助手の活用は、中学校英語教育の充実に重点をおいておりますが、国際理解教育の一端として、各小学校にも学校規模に応じて訪問指導をしております。国際理解教育は、外国語教育だけではなく他の教科や特別活動など、学校教育全体を通じて推進されることが期待されており、外国語指導助手の存在は、そのような学校教育における取組の充実に当たって、一層重要な役割を担っていくものと考えられます。また、小学校においては、平成14年度から全面実施されている新しい学習指導要領の下、新設された総合的な学習の時間の中で、国際理解教育の一環として外国語会話等を行うことができるようにしており、平成14年度の統計によりますと、全国でおよそ5割の公立小学校で英会話活動が行われているとのことでございます。平成12年度より外国語指導助手が2人体制になり、以前の訪問日数より増えたことにより、英語教育や国際理解教育が充実してきたとの報告を受けておりますが、教育効果を一層高めるためには、外国語指導助手を中学校全校に配置することが将来的には必要であると考えております。
 結論的に申し上げれば、現在予算編成中ではありますが、従来から段階的に増員を検討してまいりましたので、次年度は1人の増員をしたいと考えております。さらに、将来的には財政事情も勘案する中で、各中学校に最低1人の配置をしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で、壇上からの答弁とさせていただきます。
○議長(齋藤昌平君) 6番。
○6番(茂原正秀君) まずは、来年度からALTを1人増員してくださるというお話をいただきまして、ありがとうございます。このALTの必要性を十分に理解していただけましたことに、心より感謝申し上げます。しかしながら、市長のお話を伺っておりますと、少々違和感を持ってしまう部分もございます。
 まず、ご回答の骨子を整理してみますと、子供たちにとって英語教育は極めて重要であるし、ALTの必要性も理解している。しかしながら、いかんせん財政事情が厳しいから、教育委員会からもALTを増やしてくれとの要望がきているもののできないという内容であったかと思います。ですが、市長、他の自治体で当たり前にやっている程度の教育環境の整備が、財政難でできませんというお話が、市民の皆さん、現在子育て中の保護者の皆さんに通じるとお思いでしょうか。私には、到底思えません。市長はご存じないかもしれませんが、お隣の甘楽町、富岡市の3分の1程度の人口の甘楽町でさえも、ALTは富岡市と同じ2人いると聞いております。正直なところ、今回、富岡市のALT設置状況がここまで遅れていることを市長にご説明すれば、教育は最重要課題と常日ごろからおっしゃられている市長なのですから、来年度に一気に3人は無理でも、毎年1人ずつ増員し、3年後ぐらいの平成18年度には全校に設置しましょうとなるのではないのかと、私、少々期待しておりましたが、残念な気がしてなりません。
 市長は、このALTについて余り大きな問題とはお考えでないのかもしれませんが、市民の皆さんは教育については、極めて強い関心を持っておられます。今回、この表のデータをまとめた時から、私、これまでに30人ぐらいの小中学生の子供さんを持つ方々に、富岡市のALT設置状況についてお話しし、意見を伺いましたが、ほとんどの方から不満の声が上がりました。中には、ALTを雇う予算がないのならば、議員や職員を減らしてでも何とか実現してほしいとか、中心市街地の再開発に充てる費用の一部を教育に回せないものかなど、大変具体的で熱のこもったご意見をいただきました。こうした市民の皆さんのお声と世の中の動向を考えれば、このALTの各中学校の設置は、もはや財政うんぬんで避けては通れない問題であるかと思われます。実際、教育に力を入れている市町村では、ALTの各中学校の設置などは当たり前のことであり、そのALTを今後いかに活用していくかというレベルにまで、既にいっております。また、それだけでなく、国の構造改革特区第1号として認定された太田市の英語教育特区のように、更に進んだ構想を持ち、全国から注目を浴びている自治体も群馬県にはございます。同じ県にありながら、東の太田市は全国有数の英語教育先進地、そして、西毛の中核都市を目指す富岡市は財政が厳しいのでALTの各中学校設置でさえ、いつになるやら未定というのでは、私も中学生の子を持つ親の一人として納得できません。
 教育は最重要課題という市長のお言葉が単なるお題目ではないのならば、このALTをすべての中学校への設置は最優先課題であると私は思いますが、今までご説明した内容をふまえたうえで、来年から1人ずつ増員し、平成18年度までに市内5つの全中学校にALTを設置していただくわけにはいかないでしょうか。
 以上、この1点を第2質問とさせていただきます。ご回答よろしくお願い申し上げます。
○議長(齋藤昌平君) 市長。
○市長(今井清二郎君) 茂原議員さんから再質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。
 茂原議員さんがおっしゃる問題意識については、よく承知いたしております。確かに、ALTについては、富岡市は遅れをとっております。率直に改善していくべきだと思っております。しかし、学校数だけではなく、他市との人口割りで比較してみますと、1人増員をして富岡市が3人になった場合、富岡市は1万6,300人にALTが1人ということになります。県内新6市の中では、沼田市が1万5,000人、館林市が1万5,800人、渋川市1万2,000人、藤岡市1万2,600人、安中市2万3,500人にそれぞれに1人となります。単なる、1校に1人ということではなく、教育効果を考えますと、学校内にいる生徒の人数にも、クラス数によっても影響があるわけでございます。しかし、私は、だからいいと言っているのではございません。この人口割りで見ても、安中市が2万3,500人、2校しか安中市にはありませんので、2万3,500人に1人ということでございますが、渋川市などはこの中でも一番少なく1万2,000人に1人ということでございますので、4人にすれば、この新6市の中ではトップに入ってくるわけでございます。そのような状況ですので、順次計画的にこの改善を進めていきたいと思っております。
 なお、教育委員会では大変努力をしていただいておりまして、壇上からも先ほど申し上げましたが、西部教育事務所籍のALTを年間72日富岡市に派遣をしていただいております。これは中学校のみでございますが、それぞれの中学校に割り振って、活動していただいております。
 また、特に要望の強い小学校3校に特別非常勤講師という形で、外国人3人を任用いたしております。年間約140時間程度でございます。一度にすべてを改善することはもちろんできませんが、これからも、いろいろ知恵を使って、富岡市の外国語教育のレベルが低下しないよう、教育委員会でも対応していくということでございますので、富岡市内在住の外国人等をそれぞれ小学校等に任用するとか、地域の教育力を含めて対応していきたいと思っております。先ほど、壇上からも申し上げたとおり、最低でも中学校1校に1人は配置すべきという考えも持っております。ただ、予算編成上、今の時点で何年に1人ずつという計画が発表できないだけで、そのつもりでおりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。
○議長(齋藤昌平君) 6番。
○6番(茂原正秀君) ご回答ありがとうございました。厳しい財政事情の中、更に厳しいお願いを申し上げましたが、富岡の子供たちの教育環境をなんとかすばらしいものにしてあげたいという熱意の表れとご理解いただきたいと思います。日本には、人材教育に力を入れた米沢藩の上杉鷹山や長岡藩の米100俵の話など、教育にまつわる美談が数多くございます。教育を最重要課題とし、市政に真しに取り組んでおられます今井市長には、是非とも富岡の上杉鷹山になっていただき、富岡版の米100俵は無理でも、米10俵ぐらいの話が後世に伝えられますようご努力していただきますよう要望いたします。
 以上、これにて私の質問は終了させていただきます。ありがとうございました。